また、ジャズクルージングのたびに、ヘルパー役を務めてくれる若くて綺麗な歌手たちの顔をご存知の方も多かろうと思いますが、そんな彼女らに声をかけ、クルージング関係の方々からもメンバーを推薦してもらったり募集したりして20数名(まったくのアマチュアも含む)のメンバーが集まりました。現在は30名をこえるメンバーが登録されています。
当初は男性も加えてという話も出てはいたのですが、男性の場合「練習に参加すること自体が難しい」ことを厭というほど思い知らされています。それに加えてコーラスの心得となると強い不安も隠せませんし、第一、おじさんの指導など自信がありません。そこで男子禁制の女声合唱団“Female
Jazz Singers”に落ち着いたわけです。
俳優座劇場での初舞台は12月14日と決まっていました。約2ヶ月の準備時間しかありません。曲目の選定、アレンジを大急ぎでやり、一日も早く練習に取り掛からなければなりません。しかし、集まったメンバーは忽ちのうちに覚えてくれました。早かったですね、ありがたかったです。これは第1回の練習日に実感したことです。「手ごたえあり」でした。本番のコーラスは上々の出来でした。そして“Female
Jazz Singers”は六本木ジャズクルージングの大きな目玉商品となってしまいました。
このコーラスには普段はソロシンガーとして活動している人だけでなく、コーラス活動の経験者やジャズコーラス・グループなどが大勢メンバーとなっています。ソロシンガーはコーラスをやることによって、ハモリを意識した歌唱法があることを覚えます。逆にコーラス育ちの人はソロを勉強して、個性重視の歌を唄わないとコーラス自体がひ弱になることを認識します。
2003年からは、月2回のペースで練習を始めました。当面は5月20日からの“六本木ジャズクルージング
PART 8”が出演の場となります。これを目指して新曲を3,4曲は用意するつもりです。これらの情報伝達の場として、インターネットの小生のジャズサイトに、「FJSのページ」を新たに用意しました。ここには小生が女声キーで唄ったコーラスのサンプルやコーラス譜があり、やむを得ず練習にでられない人も自習できるようにと、至れり尽くせりのことをやっているつもりです。
歌の好きな方で学生時代にクラシカルなコーラスをやっていた人はいくらでもいますが、ジャズコーラスとなると限られた数になってしまいます。これは男性の場合でも同様です。ジャズも唄えてハーモニー感覚もある人となると簡単ではありません。自信のある方、興味があり一生懸命やってみようと思う方は大歓迎します。これからでも随時、メンバーは補強していきます。希望者は小生またはジャズクルージング事務局までお問い合わせください。
誕生してまだ一歳にもならない「ヨチヨチ歩きのコーラス隊」ですが、よく練習に出て来るメンバー達は、これまで知らなかった同士が打ち解けあってとてもいい雰囲気です。練習後の飲み会や食事会も恒例のものとなり賑やかなものです。
メンバーの皆さんは、それぞれが仕事や家庭を持っており忙しいこととは思いますが、互いに励ましあって練習に参加してください。コーラスの友は、決まって永い付き合いとなります。それは、わがまま者同士、怠け者同士ではコーラスは出来ないからです。目指すは「いいハーモニー」であり「一体感」であります。それを達成するには「メンバーの和」しかないのです。楽しみながら「細くても永く」続けることだけが成功の秘訣です。ですから、たまにしか練習に顔を出せないメンバーがいたとしても、練習によく出て来る人たちが「あの人はたまにしか出て来ないのに・・・」などと厭な顔をしたら、その人は次から出てくるのが辛くなります。コーラスをやるには何よりも我慢強いことが肝要です。
そして、同じ曲を何百回も練習し、何度も人前で唄い、何度も大きな舞台を踏むことがコーラスの質の向上をもたらします。聴いてくれる人によって磨かれます。
「いいコーラスは一日にして成らず」
これは、半世紀に亘りジャズコーラスを愛し続けてきた小生の経験そのものであり、今後もそう思い続けることだろうと思います。
Director,
The Female Jazz Singers 若山 邦紘
May 2003