FJS文集

初めてのアフターヌーンライブ・コンサート

外川 佳子


アフターヌーンライブ・コンサートの前夜、私と団員の寺木さんの二人は横浜で新年会をして、たらふく食べて飲んでほろ酔い気分で鎌倉駅から自宅までの25分歩いて明日歌う歌を歌い始めました。

Sermonettから順番に。11時を過ぎてしまいました。周りに気遣いながらこそこそと。一字一字歌詞と音を確認しながら・・・。なぜか途中で急に可笑しくなっておなかの底から二人で涙を流して笑い転げました。映画の「フラガール」のジャズ版でも作りたくなるような、そんな雰囲気にかられました。

ステージに上がって頭が真っ白になったらどうしよう・・・不安にかられた初めてづくしのアフターヌーンライブでした。

FJSに入って1年もたっておらず、その間、何回練習に行けたでしょうか。コンサートに出るのは無理だと、一度は先生に不参加という返事を出しましたが、先生の「簡単に遠慮しないでください。ライブそのものが成り立たなくなる恐れがあります。新しい人がやらないと何時までたっても発表の場が持てません。がんばって歌ってください」とのお言葉で、やれるだけがんばってみようと参加の返事を致しました。

参加の返事はしたものの・・・13曲のうち習った曲は4曲余り。あとは練習で1,2回聴いた曲です。1回も聴いたことのない曲もありました。すべて初めて聴いた曲でメロディも知らず・・・。練習時に録音してきたテープ、先生のCDを手掛かりに読めない譜面をたどって一緒に歌い、巻き戻しては歌いと、毎日毎日歌っていました。仕事の時だけは頭からジャズはなくなりました。バス停や夕陽の輝く海を横目にウォーキングしながらもうたっていました。この2ヶ月、ジャズに夢中になって1曲でも覚えようと頑張って・・・。

時代遅れのテープを聴いても、上手だなぁ、きれいだなぁといつも思っていた素晴らしいハーモニーのFJSの皆さんと同じステージに立てたことはこの上なく嬉しかったです。

私の人生、大海原から岸が見えかかってきたこの年で、先生や皆さんとめぐり会い、ジャズを通して同じ空間を共にできることに喜びを感じております。

娘からプレゼントされた生まれた初めてのキラキラした洋服を着て一曲一曲頭から絞り出すように歌い終わった初めてのライブコンサート楽しかったです。やってよかったと思いました。あの時、先生が後押しして下さらなったら、この素晴らしい経験はできなかったと思います。

この2ヶ月”青春”してました。

後日、私の歌っている写真を見た息子からの一言は、

「オフクロ、ムンクの叫びだよ〜」でした。

(2011/2/27受領)

    

アフターヌーンコンサート


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