前田憲男が言いました

1.前田憲男が言いました

前田憲男とウィンドブレーカーズのライブでは、時々Breezeをゲストに呼んで唄わせます。前田さんから見れば、うんと若いグループですが、とても期待をしています。

その前田さんが「コーラスは並大抵でない練習が必要なのだ」と

器楽は自分が演奏した音を客観的に聴くことが出来ますが、歌はそれが出来ません。耳から入る音と、骨伝導により聴覚に直接響いてくる音とが混ざり合い、他人が聴いているのとまるで違うヴァーチャルなサウンドが自分の脳みその中で聴こえているのです。

大方の人は、上手に聴こえているので、己に酔いしれてしまいます。

したがって、修正や調整が唄いながらでは出来ないのです。客観的に聴くには録音しかありません。器楽の演奏家とコーラス歌手のアンサンブルを作り出す上での練習の違いはここにあるのです。練習とは「まずいものを理想に近づける」ための修正をする手段です。

2.なぜ並大抵でない練習が必要なのか?

パート内のバランス

合唱では一つのパートに複数人がいます。先ずはパート内の全員がそろわないと気持が悪いです。FJSのパートリーダーの皆さん、あなたのパートはいかがですか?言われなくとも、明白でしょう。

パート間のバランス

合唱ではパートが複数に・・・そのためにパート間の関係が入り組んで複雑になります。ここでは、コーラスの難しさを論理的に説明します。

2声では、合わせる対象は互いに相手のパート1つです。3声では、組み合わせは3組です。4声では6組になります。神経の使い方が、それだけ要求されます。

2声の息の合い方が0.95の確率で上手くいくものと仮定します。3声で上手くいく確率は0.95の3乗で0.86、4声では、6乗ですから0.74まで下がってしまいます。

したがって、練習でこの確率を上げない限り、いいコーラスを聴かせることは出来ません。4声で0.95のパフォーマンスを達成するには、各2声のパフォーマンスを0.99まであげる必要があります。1つのパートのパフォーマンスは0.995が必要です。だから練習が必要なのです。

ソロ歌手の練習でコーラスを唄うことは出来ません。ソロは楽チンです。自分のことだけ考えていれば済むからです。ソロは完成度は95%なら、それで95%の歌となりますが、コーラスでは各パートが99.5%までの完成度を要求されるのです。

3.FJSの皆さん、前田さんの言うことがわかりますか?わかG流の易しい解説をつけてみました。

コーラスとは、いつも同じメンバーが集まって練習しなければ、練習の意味が無いことだということが理解できましたか?

わかG