原譜とジャズボーカル 作曲家の書いた譜面どおりに唄うとどうなるかやってみたことがありますか?譜面どおり唄ってもジャズボーカルにはなりません。 ですから、大方の歌好きな方は、有名な歌手達のボーカルを聴いて魅力を感じたものを真似て唄うことが多いです。そこで、プロ達は自分の歌い方を、個々の個性を織り込んだ歌に作りあげていきます。元の譜面どおりに唄わないのを”Fake”と言います。 1929年にFats Wallerがミュージカル”Ain't Misbehavin'”の挿入歌として書いた”Honeysuckle Rose”を例にとって、その違いをわかGなりに試してみました。 Song bookを持っている人は、見ながら聴いてみてください。ただし、歌のテンポはわかGの好みのテンポにしてありますから、あなたの歌うテンポとは違うことと思います。 ■譜面どおりに1コーラス唄ってみます。 ⇒これ いかがですか? 面白かったですか?聴いていて疲れませんか? ■つぎはFakeしたものです。 ⇒これ こんな調子で唄うのなら、10時間でも疲れません。不思議ですネ。 両方の歌を採譜できる方は書いてみてください。違いがあることは聴いただけでも明瞭ですが、譜面にしてみると、譜割りがどう違うか、音程がどう変えられているかがわかります。歌は唄うだけでなく、理論的にも分析してみることもひとつのアプローチだと思っています。 分析という作業は、逆の道をたどれば別の歌に応用できる力がつきます。 僕らの言葉ではAnalysis(分析)とSynthesis(合成)と言います。 譜面に書いて見ることの効用は、時間と共に消え去っていく音楽を時間を止めて一望に見ることが出来る点です。譜面が違えば、歌も変わります。 クラシックの出身の方や、合唱団出身の方には目からうろこだと思います。ジャズボーカルの世界とはこういうものなのです。 今月は実演付きでした。 わかG |