コーラスの5要素

1.音楽の3要素

メロディー、リズム、ハーモニーだと小学生、中学生のときに習います。これ以外に習ったことがありますか。

2.歌の4要素

メロディー、リズム、強弱、音色。これが歌の4要素です。

1曲の歌に「強弱」をつけることで、歌は生き生きしてくるはずです。「強弱」に意識をおいて練習してください。ただし、勘違いが横行しています。

"forte"は強く、大きな声でという意味ではなく「大きな気持ち」「広い気持ち」で唄えということです。

"piano"は弱く、小さな声でという意味ではなく「優しい気持ち」で唄うのです。

その他にも、「怒りの気持ち」「悲しい気持ち」なども表現しなければならないことがあります。

このように「強弱」は気持ちの表れです。ボリュームのダイヤルを調節することではありません。自信のない歌は、誰でもこわごわ唄います。こわごわ唄っている間は、気持ちなど表現できません。

「音色」とは「色気」のことです。生まれつきいい音色の人はアドバンテージを持っていると言えます。しかし、後天的にも発声を工夫して「いい音色」「曲に合った音色」で唄えるようになります。一見するとクラシックの声楽家の発声法とジャズの歌手の発声法とは全く異質に聞こえます。しかし、声の響きは共通のものです。

口の形、鼻の形を変えることでも音色は変わってきます。口蓋のどこに声を当てるかでも変わります。鼻腔にどれだけ響かせるかでも変わります。

声帯は振動して単に「ブー」と鳴っているだけです。おならと一緒の音です。音色をコントロールするのは喉、口と鼻の形です。曲相に合う音色と響きを求めることです。

声楽家は「音色」「声の響き」をイタリア語で”Timbro”と言います。ベルカントの発声での要と言われる声の共鳴状態をいいます。ある声楽家がわかGの歌を聴いて「Timbroだ!」と叫んで驚きました。日本人では稀なんだそうです。この話は第17話で書いています。

一方、リズムは身体で体感するものです。大脳ではありません。つまり、リズムは身体の動きから発せられる一つの波動です。

リズムはあなたの身体の中で感じられていることが必要条件です。

3.コーラスの5要素

メロディー、ハーモニー、リズム、強弱、音色となって5要素となります。

5要素も考えなければならないのですから、コーラスが上手くやれたときは、聴く人だけでなく、唄っている本人たちも感動するのです。

ハーモニーを作り出す基本は、ビブラートを取り去ることです。ソロの場合と違う点です。ストレートに音をとり、ストレートに歌ってハモらせてください。

子音ではハモリません。母音でのみハモルことが出来ます。

以上は、基本中の基本事項でした。人が歌うのを漠然と聴かずに、このような観点から聴いてみるのも勉強になります。

わかG