フィードバックをする習慣

自分の歌を自分で聴くことほど惨めなものはない。誰もが嫌悪感が走る。それでも録音して聴かないといけない。厭なものを何度も聴き返すことが必要なのだ。不思議なことに少しずつでも上達する。これより優れた練習なんてあり得ない。

フランク・シナトラは「自分の歌の録音を誰よりもよく聞いた」という話を娘のナンシーがシナトラの伝記の中で書いている。

自分で聞くことによって少しずつ自分が理想としているものに近づいて行く。これは歌のフィードバックによる上達法だ。フィードバックの回路がないと、目をつぶって車を運転するようなものである。コースが外れても分からない。それと同じで、音がはずれていても分からないのだ。

「理想とするもの」は簡単に言えば、自分の好きな歌手の歌い方である。だから、自分が好きな対象が無い人は上手くなんてならない。目標が無いからだ。高い目標を作りなさい。

録音した歌が「まあ、少しは聞けるようになったかな」と思えるようになれば、今度は人前で歌ってみることだ。聞かされる人には迷惑千万な話だが、そうして進歩していくのである。

自分で歌っている歌は自分で聞こえている。しかし、耳から入る音と骨伝導で聞こえる音が合成されたヴァーチャルな歌が聞こえている。これで、みな上手に聞こえているつもりになる。だから、自分の歌に酔いしれている人が多いのだ。周りは歌わないほうがよいと思っても、本人は素晴らしい歌い手だと思って歌っているのです。

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自分の歌を録音して聞かないまま人前で歌う人が如何に多いか。無謀というか人前に自分の裸をさらすのと同じだ。

よく上手な人の後で、下手な人が平気で歌っているのに出会います。そんな人は、自分の歌を聴いたことがないのです。自分がうまいと思い込んでいるわけです。

何度も唄って、歌を覚えることは出来ても、いい歌にはなかなか到達しません。繰り返し聴いて納得するまで練習することしかありません。初めは聞くのがいやでしょうがないかもしれません。いやでなくなったときは、そこそこ唄えているのだと思います。自分の歌の録音を聴いて、いやだと感じる人は上達の可能性があることを意味します。

人間誰でもが、出力機器より入力機器のほうが優れて出来ているのです。つまり、うまく唄うための喉よりも、聞く耳の方が機能が高いのです。

練習にレコーダーを持ってくる人がいます。いいことは真似をしてください。

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